2023-02-03 #life

引きこもり大学院生がなんとか修了したハナシ


苦しんでいる理系修士に送る,引きこもり大学院生がなんとか修了したハナシ.

私は 2023 年 3 月に情報系学部を修了しました.M1 の終わりにテーマを変更して,そこから 1 年間でなんとか修論として出せるものを書きました.
自分がやってきたのはたったのこれっぽっちで,こんなものが修士論文としてなりたつのかと不安だったがなんとかなった.
成果が小さくても,期限内に提出し,明らかな虚偽がなければなんとか修了できる.(教授も不出来な学生をもう 1 年も面倒を見るのが嫌だと思う.)
記録として,ここに私の自堕落な学生生活を備忘録として残しておきます.

学部4回生

まず,研究テーマを決める 4 回生では適当に先輩のテーマを引き継ぐことにしました.私はそのテーマに興味がなかったわけではないが,自分でいいテーマを考えるのも面倒だったし,大失敗することはないだろうと思って引き継いだ.
この頃は,コロナ禍のため,大学への立ち入りは制限されていた.しかし,授業をすべて取り終え通学に時間・お金がかかる私にはラッキーなことでした.(3 年間は往復で 4 時間弱,電車賃 1500 円なのによくがんばっていた)
毎週のゼミには出席し,同期や先輩の研究を聞いたりボスに自分の進捗を報告したりと,最低限まじめに取り組んでいました.
12 月頃には実装も終わり,卒論に書ける内容もある程度できていました.

しかし,卒論提出直前.ボス(指導教員)に Slack で卒論の進捗や添削のお願いをしても,一切返事が返ってこなかった.先輩には添削してもらっていたので,まあ卒業はできるだろうと楽観的に考えていました.
提出〆切の 10 日前,私の卒論はある程度完成していたが,ボスからの返事はまだなかった.放置プレイはほんとにメンタルが削られる.卒業がヤバかったら指導が来るだろうという楽観的な気持ちと,見放されているのではないかという心配が交互に来て,私は情緒不安定になっていた.
そして,〆切の 1 日前に大学に行くと,普通にボスはいた.私の卒論は一切見てない様子で印刷し直接添削を頼まないと見てくれないようだった.これって職務怠慢でないのか?
添削してもらった結果,案の定赤ペンがたくさん入った.これならもうちょっと早く見てくれよという怒りはあったが,卒業できるのかという不安のほうが大きかった.次の日,徹夜でなんとか修正したクソ卒論を提出した.

卒論の発表終了直後は,卒論では苦しんだので,修士ではもうちょっと頑張ろうと思っていた.

修士1年

Webアプリの開発

卒業時には修士では頑張ろうと思っていたが,そんな思いはすぐに消え去り,研究とは全く関係のない Web アプリの開発にドハマりした.
毎週のゼミの前日や当日になってから,「やっべぇ,今週の進捗がねえ」と思い論文を探し,Abstract と Conclusion を読んでまとめて,ゼミを乗り越えたこともよくあった.
研究のことなんてほとんどやっていなかったため,学士のころからテーマを変更するなんてことは頭になく,半年くらいは卒研でやったテーマをダラダラ続けていた.

インターンシップ

Web アプリの開発の経験が活き,高給なインターンシップにいくつか参加できた.
インターンでの開発は楽しく,色んな技術に触れることができたり,他の学生の開発経験を知ったり,個人開発では使わないようなツールに触れたりと,ほんとにいろんなことをやらせてもらった.
楽しい思いをしたのにお金までくれるなんて神かと思ったとともに,研究への意欲はますますなくなった.

就活

そして,研究をまともにやらないまま秋になり,就活が始まった.
研究室にあまり行っていなかったため,就活関連の情報を持っていなかった.就活では失敗はしたくないという思いから,複数の逆求人イベントに参加すると,たくさんの企業と出会えた.どの企業も私の開発経験に興味を持ってくれて認められた感じがした.ボスにはあまり褒められることがなかったため嬉しかった. また,どの企業の業務内容にも魅力があり,逆求人の後日の面談も申し込んだ.
週に 4 回くらい企業と面談していたため,研究に充てる時間なんてあまりなかった.

中間報告&テーマの変更

12 月になると最終面接もいくつかあり,嬉しいことにいくつか内定を頂いた.一方,研究も大きな山場である中間報告があり,話せる内容が少ないながらもなんとか発表した.
しかし,ボスから次のようなコメントを頂いた.「君の研究の基礎は既に先輩のもので完成していると思っていて,これをどう発展させるかが課題」.
このコメントは私にこうかがばつぐんでメンタルを大きく削った.研究のやる気がなくなり,ついにボスに研究テーマに関して相談した.
今思えば,春ごろにさっさと変更しておけばよかった.

修士2年

M1 の 3 月頃にようやくちゃんと研究したいテーマが決まり,まじめに研究に取り組み始めた.同期はすでに大学院で 1 年研究に取り組んでいるのに対し,私は新テーマを 1 からやるのでめちゃくちゃ焦った.
まじめに取り組んだし焦ったが,通学時間がかかるため在宅であることには変わりなかった.
また,研究に割く時間が増えたけれども,個人開発はやり続けたし,ゲームの時間は余り減らさず週に 30 時間くらいはプレイしてた.

そして,ある程度まじめに取り組み続け,あっという間に年末になった.2 週間に 1 回くらいしか大学に行かないのは変わりなかったが,まじめに取り組むとあっという間に時間がすぎる.
その頃には,なんとかデータを取り終え,修論としてギリギリ書ける内容はでき,修論の章立てもやった.そこで安心し,息抜きとして Steam のウィンターセールで買ったゲームに手を出してしまった.めちゃくちゃおもしろくて 10 日間で 70 時間もやってしまったが,まだ 3 週間も〆切まであるし大丈夫だろうと思っていた.

しかし,研究室でコロナに罹った人が出て,私も 3 日くらい頭痛が続いていたので,まずいかもしれないと思った.私はコロナではなかったのだが,1 回怠けるとそれが続いてしまい,頭痛がするからという言い訳で修論から逃げた.
気が付くと提出まで 2 週間.書いた内容は章立てと書きたい内容を箇条書きにしただけ.私は焦った.めちゃくちゃ焦った.そこからは 2 年前の苦しみを味合わないために,必死に執筆し続けた.毎日ベッドで寝るのは 4 時間.それ以外はほとんど修論と B4 の添削のことを考えていた.
ボスに直接見せないと添削してくれないので大学に行く回数も増やした.はじめにも背景もパーツを繋げただけでストーリーが全くないと指導されたりもしたが,なんとか 2 週間で 50 ページ弱の修論を書きあげ,その後の発表も炎上せずに終わった.
発表前は身体的にも精神的にもボロボロだったがなんとかなった.

M2 の途中でゲームにはまって週に 80 時間やるときもあったし,Web アプリを Vue2 から Vue3 に置き換えてさらに Next.js に書き直したり,研究に関係のないことにも注力していたが,ほんとに 1 年間よく頑張った.M1 のときは中退や休学も考えたが,工学修士を得ることができてよかった.